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2013年振り返り

前のポストに書いたとおり、書きためている文章を投稿しようと思っているのですが、タイミング的に年の瀬となってしまったので2013年の振り返りを先にやってしまおうかと思います。とか思って書き始めたら年を越してしまった…せっかく書いたのでめげずに公開します。

今年はあまり一つのことに集中して何か成果を出すことができた年ではなかったのですが、いくつか自分の気持ちとか心持ちが変わるような経験ができたという意味では貴重な1年だったのだと思います。

1月 - 3月

この時期はいわゆる IT 系の会社2ヶ所(大きめのところといわゆるスタートアップ)でソフトウェアエンジニアとしてアルバイトをしていました。

そのうち主に行っていた1つのほうでははっきりいって全く成果を出すことはできませんでした。自分のスキル的なものによるところはもちろんあるのですが、それ以上に執着心みたいなものが圧倒的に足りていなかったのが原因だったと思っています。アイデアを出すだけではなく形にするまでには、諦めないでやり抜く力が必要だということをこの時実感しました。何をやるにしても、二度と同じような気持ちは味わいたくないと強く思いました。

4月 - 6月

前とは違う IT 系の会社で少しだけアルバイトをしつつ、基本的には研究をしながら好きなことをしてゆっくりとした時間を過ごしていた気がします。

印象的だったイベントは4月に開催された新経済サミットでした。みんな大好き Jack Dorsey や僕が大好きな Phil Libin をはじめ、非常に豪華な面々の講演を聴くことができました。学生ボランティアという形でこのイベントに参加したのですが、本当に行くことができて良かったと思えるイベントでした。自分のいきたい方向性が少しずつですが具体的になるきっかけになったと思います。この時湧いたモチベーションは未だあまり衰えていないので、このまま2014年も頑張りたいところです。

7月 - 9月

サンフランシスコにインターンに行っていました。インターン内容は研究とは全く関係のないことだったので研究も進めなくてはいけない身としては迷ったのですが、だいぶ直前になって行くことを決めました。

この3ヶ月弱は夢のように楽しい日々でした。サンフランシスコへ行くのは2度目だったのですが、前に行った時は1週間弱しかいなかったため、前回とは全く異なる印象を受けました。

一番良かったことは、サンフランシスコの空気を肌で感じられたことでした。スタートアップの熱量、ミートアップの多さ、オープンな人たちなどは大変魅力でしたし、サンフランシスコでの生活は日本でのそれと想像以上に異なっていて、サービスとかツールとかを考える時の視点も当然変わるなということが実感できました。流行っているものとかそのアツさとかは、インターネットではなかなか伝わりにくいものなんだなとも思いました。

インターン先で出会った人たちとも仲良くなって、毎週末(最後のほうはほぼ毎日)どこか行っていました。単なる旅行としてみても大充実していた日々でした。現地の生活を少しでも体験できて良かったです。

こう書くと遊んでいただけのようにみえますが、ちゃんとインターン先のオフィスには平日毎日だいたい9 - 18時で出社していて、そこではタイポグラフィ、インタラクションデザインなどのデザインの基本的なことから実務まで幅広く経験してきました。基本的に残業とかがなくて、そのお陰でミートアップにたくさん行けたり遊びに行けたりしたわけです。それくらいメリハリが付いているほうが僕は好きでした。

10月 - 12月

サンフランシスコに行く前に行っていた会社でまたアルバイトさせてもらったり、また別のところでも少しアルバイトを始めました。研究も再開したのですが、正直あまりモチベーションを保つことができませんでした。

アルバイトではまとまった大きな成果を出すことはできなかったのですが、小さいことの積み重ねの大事さを学ぶことができた気がします。サンフランシスコに行ってきたこともあって、どうしても最先端のことをやりたいとか、未来を予想して新しいことに挑戦したいとかそういう気持ちになっていたのですが、既に世に出したものを続けることについても再度考えなおすきっかけがいくつかありました。デザイナーとして何ができるか、何をすべきかみたいなことも少し具体的に考えるようになったと思います。

趣味では、iOS App 開発を始めるようになりました。個人的には5年前くらいからブラウザというオープンなプラットフォームに賭けていたところがあったのですが、正直負けたという感じで今更始めることにしました。今から Cocoa に精通することが目的ではなくて、現時点で最も生活に密着する使われ方をしているソフトウェアの代表的なものが iOS App なので、今後プラットフォームが変わっても知見や経験が活きるだろうと考えたのが大きい理由です。その時つくりたいものがその時点では iOS App にするのが一番良さそうだという理由もありました。ちなみに、主にスタンフォード大の iOS プログラミングの講義を iTunes U で見て勉強しましたが分かりやすくてオススメです。10月に見た時は2012年の講義までしか配信していなかったのですが、今は2013年の最新の講義が見られるようです。

あとこの辺りでの個人的に大きな出来事の1つは、テキストエディタを Emacs から Evil に乗り換えたことでした。直接の理由は Practical Vim を読んだことです。この本を読むまでは、 Vim は便利なことは分かるんだけど Emacs は好きだし拡張して便利になっているから乗り換えるメリットを感じない、というように思っていたのですが、読んだ後は実用的なイメージが湧いたのですぐに乗り換えを決意しました。ただし僕は基本的には Emacs が好きなのでテキスト編集部分だけ Vim の機能を使うというところに落ち着きました。Evil は Emacs の良いところを殺さずに良い感じに Vim の機能をエミュレートしてくれるので、すぐに手に馴染むようになりました。

まとめとこれから

大体3ヶ月ごとに環境が変わって、期間的にはバランス良く色々な経験ができたのかなという感じです。1年間通して思ったことは、環境を生かすも殺すも結局自分次第なんだなということです。当たり前のことなのでしょうが、今まで自分は分かった気になって実際には分かっていなかったんだと思います。

2014年は、4月から社会人になるということでひとつの節目なのかと思います。やりたいことに向かうこと、今やるべきことに注力することの2つに特に気をつけて頑張りたいです。自分の興味としては、2014年はインタフェースが多様化していって面白い年になるんじゃないかと期待しています。ソフトウェアに限らず色々なものをつくっていきたいですね。